2016年11月21日月曜日

飛ぶ鳥を探す日



青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を


まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日


永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け


いくたびか甦る夢窓向こう回遊してゆく紫陽花の雨


野の果てにさびしく燃える火、橙(だいだい)にワスレグサ咲き誰を忘れて


風の音それともあれは鳥の声海を思えば白い航跡


また秋に触れるさびしさ金色の穂を揺らしては風の旅人


銀笛は遠く流れて待合室おもいでだけの鳥籠を抱く


飛ぶ鳥をいくつ見送る季節かとまた群青の海になる日々



2 件のコメント :

  1. ワスレグサはキスゲ類の別名で、花言葉は忘れないで。それではワスレナグサはどうかというとこれも忘れないで。目の前に海が広がり、鳥がたくさん飛び、風も吹き、金色の穂はオーチャードグラスでしょうか。これほどの琳々さんワー(ル)ドのオンパレードは初めてです。さて、どこに焦点を合わせてよいものやら。うかつにも色を見落としていました。なんと九色も登場しているではありませんか。私には白い航跡がいちばん現実的で、これがイチオシ。ここまできて「白鳥は哀しからずや空の青海のあをにもそまずただよふ」を連想しました。ほ・ん・か・どり? 暗号の解析結果=色10、海4、鳥4、花2。

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  2. 春麗さん、今回もテーマは色にしようかなと思っていたら(作りやすいからという安易な発想)、鳥が飛んでしまいました。ワスレグサは万葉集には恋を忘れるために摘む花でした。夏の野に火のように咲いている姿が好きです。金色の穂はただ秋草です。薄や稲穂をイメージしました。オーチャードグラスは夏草のイメージですが、これも含まれるかも知れないと今気づいた次第です。結局好きなもので私の世界は出来ています。

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